妊娠中のホワイトニングについて歯科医師が解説！
妊娠中にホワイトニングしてもいいの？
こんにちは。
神戸市東灘区の神戸住吉駅前歯科（ママとこどものはいしゃさん神戸住吉）、院長の中村元です。
ママになってもきれいでいたい、子どもが生まれて子育てが始まると忙しくなるから、仕事を休んでいる間にホワイトニングしたいと考える女性も少なくありません。
この記事では、妊娠中にホワイトニングしてもいいのか、解説していきます。
■妊娠中のホワイトニングはNG
歯科医院で行うホワイトニングは安全性が立証されており、国家資格を持つ歯科医師や歯科衛生士のもとで行われるので安全な施術です。
ですが、妊婦さんの場合、胎児への影響が出るおそれがあります。
実証データがなく、安全性が確認されていないので、歯科でのホワイトニングは妊娠中はお断りしています。
歯科医院でのホワイトニングは、過酸化水素や過酸化尿素などの薬剤を用い、レーザーやLEDライトなどを照射して行われる方法です。
大人が行う分には問題ありませんが、小さな胎児には大きな影響が出る可能性も皆無ではありません。
口の中なのにと思われるかもしれませんが、歯の表面に付着した過酸化水素や過酸化尿素などが唾液や血液に入り込んで胎児まで及ぶおそれもあります。
小さな胎児には大きな影響が出るおそれもあるので、妊娠中のホワイトニングは避けてください。
■妊婦さんへのリスク
妊娠中は女性ホルモンの変化が激しいため、唾液の分泌量が減少する場合や体の免疫力が低下する方も少なくありません。
そのため、虫歯や歯周病になりやすくなり、妊娠中に歯の痛みや炎症で悩まされることもあります。
妊娠中でも安定している時なら、虫歯や歯周病の治療はできますし、むしろ放置せず治療は受けるべきです。
この点、もしホワイトニングを行ってしまうと、よりお口の健康状態が低下するおそれがあります。
なぜかというと、ホワイトニングは過酸化水素や過酸化尿素などの薬剤を用いて、歯の表面を溶かす方法だからです。
歯の表面の組織が薄くなり、菌への抵抗力が低下した状態になるため、より虫歯や歯周病になるリスクを高めます。
胎児への影響だけでなく、妊婦さんのリスクも高めるおそれがあるため、妊娠中のホワイトニングは残念ながらNGです。
■ホワイトニング施術による負担
ホワイトニングは歯の状態などにもよりますが、1回30分～90分と時間もかかる施術です。
妊婦さんは悪阻なども起こりやすく、お口の施術をしている間に気持ちが悪くなってしまうおそれもあります。
強力な薬剤などを使う施術なので、途中ですぐに中断しにくく、中断しても、薬剤を落とさなくてはならないなど特別な対応が必要になります。
また、施術中に体調が急変した場合、歯科医師は基本的に対応できません。
歯科医師と医師の資格は異なっており、歯科医師はお口の健康の専門家であっても体の専門家ではありません。
そのため、適切な緊急対応が取れない場合があるので、こうした面からも妊娠中であることを隠してホワイトニングを受けようといったことはしないでください。
■ホワイトニング以外のケア
妊娠中は悪阻が起きるなどして歯もよく磨けなくなるなどし、妊娠前より黄ばみが気になると悩まれる方も多いです。
どうしても歯の黄ばみや着色などが気になる時やお口の中が気持ち悪い時は歯科医院でのクリーニングがおすすめです。
妊娠中は虫歯や歯周病予防は大切になりますので、その意味でも歯のクリーニングを行って歯垢や歯石を除去し、原因菌を取り除きましょう。
クリーニングをすることでも、表面の汚れは落とせ、歯がピカピカになってきれいにできます。
体の状態が安定する妊娠中期なら、歯のクリーニングや虫歯治療などが受けられます。
ホワイトニングと異なり、歯のクリーニングは特別な薬剤は使わず、専用の器具と水を使って行う方法なので安心です。
施術時間も15分～30分ほどの短時間で終わり、気分が悪くなった際もすぐに途中で中断できるので、ホワイトニングのような後に処理をしなくてはならない心配もありません。
体の状態が安定し、かつ気分が良い日を見計らってご相談ください。
■日頃のケア
歯の黄ばみが気になるけれど、歯科医院に行くのも大変、不安という方は、市販の歯磨き剤で丁寧に歯磨きをしましょう。
ドラッグストアなどで販売されている、メジャーなメーカーが開発、製造した歯を白くする働きや成分があると謳われている歯磨き粉なら問題なく使えます。
市販品には、歯科医院のホワイトニングで使う薬剤のような強力な成分は含まれていないため、妊娠中に使っても問題ありません。
ただし、インターネットで販売されているようなメーカーの知名度もなく、必ず白くなるなどと謳われているようなホワイトニング剤には手を出さないようにしましょう。
どんな成分が含まれているかわからず、胎児に影響を与えるおそれがあるためです。
■まとめ
妊娠中は、胎児へのリスクを避ける必要があることと、妊婦さんの体調急変などのリスクがあるのでホワイトニングの施術は受けられません。
どうしてもお口の状態が気になる場合には、安心の方法である歯のクリーニングを受けるのがおすすめです。
状態が安定している時を見て、お気軽にご相談ください。
神戸市東灘区の歯科医院（歯医者）の神戸住吉駅前歯科では、むし歯（虫歯）治療や歯周病はもちろん、虫歯予防、小児歯科、小児矯正、矯正歯科、審美歯科など最新の治療にも対応しています。全チェア個室・徹底した滅菌、感染対策など家族で安心して通って頂けますので、歯の悩みはお気軽にご相談ください。
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▼記事監修
神戸住吉駅前歯科
ママとこどものはいしゃさん神戸住吉
院長 中村元（なかむら はじめ）
公益社団法人 日本口腔外科学会 口腔外科認定医
https://mamatokodomo-sumiyoshi.com/staff/
経歴
朝日大学歯学部 歯学科 卒業
国立大学法人 琉球大学医学部附属病院歯科医口腔外科 勤務
国立大学法人 琉球大学医学部附属病院 麻酔科研修
北大東村立 歯科診療所 医院長（学校歯科医師兼任）
社会医療法人 かりゆし会 ハートライフ病院口腔ケア科 勤務
医療法人真心会 神戸住吉駅前歯科 院長
