小児用シーラントのメリット・デメリットを歯科医師が解説!
歯科シーラントのメリット・デメリット
こんにちは。
神戸市東灘区の神戸住吉駅前歯科(ママとこどものはいしゃさん神戸住吉)、院長の中村元です。
皆さんは、シーラントという処置についてご存知ですか。
近年、小児歯科で行われている予防処置の一つなのですが、意味がわからずに処置を受けていらっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、小児用シーラントについて、そしてそのメリットとデメリットについても解説していきたいと思います。
■小児用シーラントって何?
小児用シーラントは、虫歯予防のために行われている予防処置になります。
奥歯などの歯の溝に歯科用のプラスチック樹脂を流し込んで固めて詰めることで溝を浅くし、虫歯を防ぐのです。
また、シーラントにはフッ素が含まれているので、フッ素効果で歯質の表面を強化することも期待できます。
乳歯の奥歯や生えたての6歳臼歯は噛み合わせの溝が深くなっているため、磨き残しが多くなり食べカスなどの汚れが溜まりやすくなり、虫歯のリスクが高まってくるのです。
そこで、シーラントを行うことで奥歯の溝を埋めることができることから、虫歯リスクを低減することができます。
また、シーラントは歯を削る必要がないため、お子様の歯に負担がかかるようなこともありません。
■シーラントってどんなことをするのか?
ではシーラントは、具体的にどのような処置を施すのでしょうか。
歯科医院が苦手なお子様もいらっしゃることでしょう。
少しでもどのような処置か事前に知っていただくことで、少しでも不安を和らげることができるので、ここで簡単に解説していきましょう。
シーラントの処置は、先ほどもご説明しましたが、虫歯の治療のように歯を削るようなことは一切ありません。
溝を埋めるだけなので痛い治療もありません。
まず、シーラント処置をする前に、歯の汚れをきれいにします。
汚れが残っている状態でプラスチック樹脂で埋めてしまうと、下で虫歯に侵されてしまうリスクがあるからです。
次に、シーラント剤をしっかり接着させることができるように酸処理として薬品を付けていきます。
その後、薬品を水できれいに洗い流してから、しっかり乾燥させます。
ここまでの処置が終わったら、シーラント剤を歯の溝に流し込んで光を当てて固め、よく固まったら噛み合わせのチェックをして終わりです。
■シーラントのメリット
ではここからは、シーラントを行うことメリットについて触れていきましょう。
・虫歯のリスクを減らせる
シーラント治療は、虫歯になるリスクを低減することができます。
奥歯の溝は、汚れが溜まりやすく、生えたての歯は特に溝が深くなっているので、溝に食べかすが入り込んで歯磨きで汚れが取り除きにくくなっているのです。
また、生えたての歯はまだ柔らかいため、虫歯になってしまうと虫歯の進行が早いので、リスクを減らす必要があります。
シーラントをすることで深い溝を埋めることができ、歯ブラシがより当たりやすくなりますから、磨き残しが少なくなり、虫歯になる可能性を減らすことにつながるのです。
・歯を削らなくて済む
虫歯治療をすると、進行度合いによっては歯を削る必要が出てきます。
シーラント治療をすると、虫歯が進行するようなリスクを低減できるため、歯を削らなくて済むことが多いです。
歯科嫌いになるお子様は、大概のお子様が虫歯治療の際のキーンという音や虫歯の痛みです。
シーラント処置では、歯を削る処置がないため、歯を削らなくて済むというのはメリットとして大きなものになることでしょう。
・歯質の強化が期待できる
シーラント剤の中には、フッ素が配合されているケースも多いです。
フッ素は、虫歯予防に大きな効果を期待できるものですので、フッ素による再石灰化の促進によって歯質の強化が期待できます。
■シーラントのデメリット
シーラントには、魅力的なメリットがたくさんありますが、デメリットも何点かあります。
・定期的な健診には通う必要がある
シーラント処置を行ったからといって、虫歯にならないということはありません。
毎日しっかりと歯磨きを行う必要があることはもちろんのこと、定期的な健診に通うことでより虫歯のリスクを減らすことができます。
また、シーラントした部分の歯の表面は見えにくいので、虫歯になっていても親御さんでは把握しにくいこともあります。
そのため、定期的な健診に通って虫歯がないかどうかチェックする必要があるのです。
・シーラントも取れたり欠けたりすることがある
せっかく接着したシーラントですが、シーラントはそもそも溝を埋めているだけのものなので、どうしても強い力が入ると取れたり欠けたりすることがあります。
シーラントが取れてむき出しになると、そこから虫歯に侵されてしまうリスクが高くなります。
シーラントが取れたらすぐに再度埋めてもらうようにしなければなりません。
■まとめ
シーラントは、お子様の歯を守るための処置として大変有効な方法です。
シーラント処置と定期的な健診によって、虫歯ゼロの歯を目指しましょう。
当院では、予防歯科に精通しております。
お問い合わせ・ご相談も受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。
神戸市東灘区の歯科医院(歯医者)の神戸住吉駅前歯科では、むし歯(虫歯)治療や歯周病はもちろん、虫歯予防、小児歯科、小児矯正、矯正歯科、審美歯科など最新の治療にも対応しています。全チェア個室・徹底した滅菌、感染対策など家族で安心して通って頂けますので、歯の悩みはお気軽にご相談ください。
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▼記事監修
神戸住吉駅前歯科
ママとこどものはいしゃさん神戸住吉
院長 中村元(なかむら はじめ)
公益社団法人 日本口腔外科学会 口腔外科認定医
https://mamatokodomo-sumiyoshi.com/staff/
経歴
朝日大学歯学部 歯学科 卒業
国立大学法人 琉球大学医学部附属病院歯科医口腔外科 勤務
国立大学法人 琉球大学医学部附属病院 麻酔科研修
北大東村立 歯科診療所 医院長(学校歯科医師兼任)
社会医療法人 かりゆし会 ハートライフ病院口腔ケア科 勤務
医療法人真心会 神戸住吉駅前歯科 院長
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